兵庫県支部から

記録表(証明書)の「責任者」は正しく機能していますか

兵庫県内の検査業者の監督に当たっている兵庫労働局(以下、当局)により、順次検査業者の監査が実施され、 会員事業所も当然に定期的に監査をうけております。

先日、会員事業所から、当局の監査を受け、証明書責任者の不在時に証明書が発行されていることで、改善指摘を受けた(→不在時の日付けでは発行は不適)、ということで相談がありました。

事業所によると、代行を立てて実施しており問題がないのではないかと思っていた、とのことでした。
事務局において、当局にもお尋ねしながら確認しますと回答したところです。

ただ事業所の検査責任者は、その代行者は特に正式な任命もせず、責任者が責任者の判断で不在時に、自分に代わり検査員の記録表を点検し、証明するということで、代行させていたというものでした。

当局の回答は、代行を認めていない訳ではなく、だれが証明=責任をとるかは、業務規程に従わなければならないものであり、
代行記載がなければ、業務規程に反する行為を行っているものである、代行規定がなければ指名された責任者が署名押印をしなければならない、ということでした(主旨)。

他の会員事業所にも当該事例関係について、何社か一般論としてお尋ねしましたら、代行は決めているが業務規程に反映していないという事業所もございました。

 

小職において関係書籍を確認したところ、
本部が作成している「 特定自主検査業務点検表【検査業者用】の解説 BP-YC-03-B 」に、明確な回答がありました。

点検項目、№61「検査事務所責任者が自署・押印しているか」という項目の解説のを見ますと、「統括責任者が不在の日が発行日となっていませんか」という点検ポイントがあります。

これらの問題点および今後の在り方について、考えてみます。


① 安易に代行はできない。


検査当日にすぐに証明書を安易に発行する慣例としていませんか。
業務規程上の責任者が自ら確認することが原則です。
従って、検査実施日に作成された記録表は、その日に、責任者がいなければ、翌日以降に確認して業務規程により与えられた責任者の務めを果たさなければならない。
別の観点から、即ち顧客からみても、検査員の検査結果について、ちゃんとした責任者が自ら確認をして証明書の発行がなされているというのが期待されているところ、と言えます。


以上から、責任者不在日は点検ポイントにあるように原則、証明書は発行できない、という社内体制をもう一度確認してください。

 

②しかしそうは言っても、責任者が病気や出張等で一定期間不在となることは多くある。これらの対策はどうしたら良いか。

本部が作成している「 特定自主検査検査業者必携 」(BC-ZC-01-J)に掲載されている業務規程のサンプルを見てください。
そこには、第4条の検査事務所統括責任者の職務が掲載され、その内のニに、「検査結果の証明書の内容を点検し、責任者欄に署名捺印の上、当該証明書を発行する。」と記載があります。

各号の前文には「検査事務所統括責任者および検査事務所副統括責任者は、検査事務所の業務全般を管理し、次に掲げる職務を行うものとする。」と記載されています。
皆さんの規程はどうなっていますか?質問があった事業所の規程は、残念ながらこの「副統括責任者」の記載がなく、ニの権限は統括責任者しかないとなり、今回の行政からの指摘となったものです。

→以上から、もし、署名押印すべき責任者が不在となることが十分に想定されるのであれば、統括責任者のサポート(代行)として、「副統括責任者」を選任し、それを業務規程に記載し、その業務規程を管轄の労働局長に届け出る、ということが必要となってきます。

当局が言われるように、責任者が不在の時は証明書は発行しない、責任者が出勤し業務を行った日付けでお客さんに発行する、ことが第一です。

 

ただし不測の事態が当然にあります。会社都合や私的な状況で数日間も業務ができないという場合が想定されるのであれば、やはり、本部サンプルにあるように副責任者を任命しておくことが必要です。
この場合、注意しなければならないのは、業務規程に副と書いてあるから責任者以外の者が、証明書に署名押印をして良いことにはすぐにはならないことに留意してください。

またこの場合、会社の組織図なり、業務分担表等に、だれが統括責任者でだれが副統括責任者であるか明らかになっていなければなりません。
当局に、どうのように副統括を選任したか質問されて、しどろもどろに回答するようなことは避けなければなりません。代表者が、いつ、副統括を選任したのかなんらかの記録が必要、と心得てください。

なお、検査事務所をいくつかある場合には、「本社統括責任者」(本部サンプルの第3条)の規程も、同様に必要に応じて「本社副統括責任者」を任命、という規定もあります。

 

個人的な推測ですが、相当以前の業務規程サンプルには、この「副」というのがなく、そのまま規定していたものとではないかと思っています。

国の行政でもそうですが、代表者の首相が不在の時は、副首相が代行するとなっていると思いますし、会員事業所においてもやはり権限代行ができる方を選任できる業務規程とその明確な選任手続きが必要となると思います。

もし本件事例を参考に、業務規程の変更が必要と思われた事業所は、早めに当局に必要な届を行っていただきければと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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